オリンピックへのゴルフ競技参加は1900年開催の第2回パリ大会(男女参加)、1904年のセントルイス大会(男子のみ参加)以来、2016年リオ・デ・ジャネイロ大会(以下「リオ大会」)で復活しましたが、実に112年振り、大会開催まで約400日と迫りました。今回の特集では、オリンピックゴルフ競技の日程、日本代表選手の候補となる強化指定選手・代表選手になる為の出場資格や競技方法、ゴルフ会場となる新設コースの近況、又5年後に迫る東京大会のゴルフ会場にも触れてみたいと思います。

1. オリンピック大会、ゴルフ競技の日程等概要

画像: 1. オリンピック大会、ゴルフ競技の日程等概要

2. 第31回オリンピック2016年リオ大会概要

■都市情報等
・東京〜リオ・デ・ジャネイロ飛行時間 : 北米経由、欧州経由、中東経由で、平均24時間前後(乗り継ぎ時間を除く)
・日本との時差 : マイナス12時間(例 : 東京正午はリオ同日真夜中12時)
・大会時期の平均気温(リオ・デ・ジャネイロ/東京)
・大会概要予定 : 参加205カ国・地域、選手・関係者数約10,500名、28競技27会場
ゴルフ競技関連
《ゴルフ競技フォーマット…男女共通》
〔競技方法〕
個人戦72ホールストロークプレーで 金、銀、銅 を決定する。
〔出場選手の選出方法と選手総出場枠〕
2016年7月11日時点の男女別ゴルフ世界ランキング(以下「ランキング」)で出場選手が選出され、出場選手枠は男女とも各60名まで。
①ランキング上位15位迄の選手は、1ヶ国に付き4名まで出場できる。
②16位以下は、1ヶ国に付き2名まで出場できる。
(例 : 15位以内に1名のみの国は、16位以下の1名と合わせ2名となる)
③大会ホスト国であるブラジルは、最低でも1名の出場枠は保証される。
④各々5大陸(アフリカ、アメリカン、アジア、ヨーロッパ、オセアニア)から、最低でも1名の出場枠は保証される。
〔日本代表選手の出場枠〕
参考:2015年6月5日時点では、上記②枠で男子2名、女子2名の合計4名出場できる。

画像: リオ大会オリンピックゴルフコース。砂地帯と低木に覆われたエリアがグリーン近くまで侵入。

リオ大会オリンピックゴルフコース。砂地帯と低木に覆われたエリアがグリーン近くまで侵入。

《ゴルフ開催会場となるオリンピックゴルフコース》
コース周辺とホール間を覆うのは、この地特有の砂地帯とその中に点在する原生の潅木が茂るラフエ
リア。ラフエリアの中にアンジュレーションの強いグリーンとフェアウェイが配置され、大西洋からダイレクトに吹き付ける強い風のハザードとフラットな地形が相まって更に難度を高めたレイアウト。豊かな原生林には、様々な種類の鳥や蝶、イグアナや小型ワニまで生息する周辺環境の中で、コース設計者はトランプナショナル・ドラール・ブルーモンスターコースの改修でも著名な米国人Gill Hanse氏。112年振りの五輪競技復帰を記念する新設コースは、選手村から車で約15分圏内の好立地。

3. リオ大会開催までの強化策

▪JOC認定オリンピックゴルフ競技強化指定選手制度
JOCはオリンピック競技大会で、実施される正式競技の日本代表として、参加可能な者をオリンピック強化指定選手として年度別に認定。選手の選考基準はゴルフ対策本部(注)が設定し、JOCが選手を認定。オリンピックに向け効果的な強化活動が展開出きる様、JOC、文科省が各種強化特典を設けバックアップしている。選手の認定限度数は、ゴルフ競技では男女8名ずつ、合計16名。(注)ゴルフ競技対策本部⇒強化選手の選出基準や強化方法等すべてはゴルフオールジャパンとしてJGA、JGTO、PGA、LPGAのゴルフ競技4団体で協議し、決定しています。

〔本年度2015年度強化指定選手選考基準〕
・男子:2014年度JGTOツアー最終戦ゴルフ日本シリーズ競技終了時点の男子世界ランキング300位
以内で日本国籍を有する上位から8名迄。
認定選手 : 松山英樹、小田孔明、岩田寛、片山晋呉、谷原秀人、近藤共弘、藤本佳則、小平智
・女子:2014年度LPGAツアー最終戦LPGAツアーチャンピオンシップ競技終了時点の女子世界
ランキングで日本国籍を有する1位から8位迄。但し、8位までの中で欠員が生じた場合は、次
順位の者から欠員の人数分順次繰り上げる事が出来る。
認定選手 : 大山志保、横峯さくら、成田美寿々、森田理香子、上田桃子、鈴木愛、酒井美紀、原江里菜

▪ゴルフ競技に特化した強化拠点での利用
ゴルフ競技の強化拠点施設として、宮崎フェニックス・シーガイア・リゾートが昨年10月指定された。ゴルフ競技に特化した強化器具やサポート環境は、利用費含め国費で賄われ、男女オリンピック強化指定選手は2014年冬季のオフシーズンより、温暖の地宮崎で日数無制限で施設利用し、強化に繋げている。更に強化指定選手の特典として、スポーツ医科学の専門医師、研究者から競技力向上のサポート体制が完備したJISS(国立スポーツ科学センター)、NTC(味の素ナショナルトレーニングセンター)で、自身の健康・体力・栄養チェック、スイング解析等定期的に受けている。又ツアー競技中での怪我等の治癒に対しても的確な処置が受けられる為、強化選手は今日まで、これらの諸施
設を多数有効利用しております。

4.第32回オリンピック2020東京大会ゴルフ会場概要

▪ IOC理事会は霞ヶ関カンツリー倶楽部をゴルフ競技会場として承認
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、各種会場計画について、昨年から国際オリンピック委員会(IOC)及び関係競技団体等と協議を進めていたが、本年2月ブラジル・リオデジャネイロで行われたIOC理事会において、「ゴルフ競技会場である霞ヶ関カンツリー倶楽部(KCC)を東京2020大会の競技会場として承認する」旨、平成27年3月13日JGA及びKCCは大会組織委員会より報告を受けた。

▪10月より改修工事開始
倶楽部側として従来から進められていた東コースの改修計画は、オリンピックの競技会場決定と相まって、国際ゴルフ連盟(IGF)のホモロゲーション(承諾)の基、本年10月頃より改修工事がスタートします。大会1年前の競技開催同時期の2019年夏季にはプレイベント(オリンピック本番のチェック、模擬競技)を予定しております。数々の国際大会を経験した日本を代表する当コースは、世界舞台として、TV・報道機関を通して世界に発信される期間も、あと5年となりました。JGAは引き続き2020東京大会及びゴルフ競技成功に向け、大会組織委員会、東京都、IOC、IGF、ゴルフ対策本部、KCC等 関係団体と良好なパートナーシップを築く為、情報共有含めコーディネーターとして大きな役割を担っていきます。皆様の温かいご支援ご協力を頂きながら、ゴルフ界が更なる発展と普及に向け、オリンピックを盛り上げていきたいと思います。

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